ロボコンさ

 さあさあ、とうとうロボコンの日がやってまいりました。この日のために作ってきたのですから、 何度も動作チェックをして試合に望んだのでした。ところが、というか、やはり、というか。結果から 言いますと2回戦敗退です。くそっ!!
 1回戦の相手は長靴をはき頭にタオルをまいたちょっとふけた高校生に見える高校の先生でした。 うひゃうひゃうひゃ。いや笑ってはいけないのですが、でもあれはしょうがなかった。だってね、 試合の少し前に仲間で話していたのですが、
 「おれらのコントローラーは1980円のラジコンを改造したのだけどさ、やっぱり市販のちゃんと したプロポがいいよね。またはさ、鉄人28号のしょう太君が持ってたあのでかいコントローラー、 そうそう、ちょうどあんな感じ…ってありゃなんだ!?」
 そうです。私の対戦相手が「しょう太君コントローラー」を持って現われたのでした。さて、その 相手のマシンなのですがシュートシステムは風力のようでした。強力な風を起こし、ボールをゴール まで運ぶのでしょうが、その程度では私にはかなわないのです。
 さて、前半戦が始まり、余裕と思った相手マシンは予想外の手にでたのでした。私がシュートしよ うとしたら、ゴール横で強風をおこしシュートコースを変え、逆に私が自殺点をするように狙っていたのです。 グリフォンはシュート力が弱いので格好のえじきになったでしょう。だからシュートを打ちませんでした。 相手が出てくるよう誘い出すほかにはありませんでした。そのとき、すきができたのでシュートを打ったら、 相手は見送ったのでした。おや? なんてこったい。私はゴールを間違っていたのでした。くそっ!  それからというもの、きたない手(ルールの裏をかく、ともゆう)を使ったりして、もともとグリフォン のほうがかっこよかったこともあって、余裕で勝つことができたのでした。
 さて、2回戦の相手は困ったことに前年の優勝マシーンでした。こりゃ勝ち目がねーぞ! 相手のマシ ンはたしか「スーパーキャシャリン」とかいうもので、ラジコンモーターつかってるしラジコンバッテ リー何個もつんでるし、もう私のマシンは壊さないでとお願いしたかった。試合開始後、やはりパワー の差がでました。ボールを追いかけるスピード、シュートしたボールのはやいことはやいこと、まいっ ちゃいました。相手マシンのシュート方式は、強力バネを使っていました。簡単にゆうとですね、小学 生の時によくやった遊びなんですがね、 ほらプラスチックの15センチくらいの定規があるでしょう、 その先端に消しゴムをのっけて定規をしならせて消しゴムをおさえてる指を離すとピョンととんでゆくで しょう。あれが、強力になったやつです。初めのうちは転がるシュートをうっていたのに、なんと弧を描 いてグリフォンの頭上を通りすぎ、ゴールしたのです。一歩も動けませんでした。「キャプテン翼」のキ ーパーが一歩も動けない状態、まさに「なにー!!」なのでした。頭上をこえるシュートに対する防御は 考えてましたが、いきなりやられるとどうにもできませんでした。ですが防御は考えてあったのです。 私の頭の中にはもう「さあ頭上を越えるシュートを打ってこい。もう何もできないとみせかけて実はシュ ートを阻止できるのだ。 映画研究会のビデオもこちらをうつしてるな。シュートを阻止しておれはヒー ローになるんだ!」とまではいきませんが、そんなことを考えてチャンスをうかがっていました。そして 、グリフォンがヒーローになるときがやってきたのです。頭上のゴールをめがけて。おれはなにもできな いよできないよ、とみせかけてとりゃ! グリフォンはボールを取りれるのに蓋をりようするのですが、 それをね、うりゃ!とはね上げたのですよ。ゴールに対して横向きだったので、ボールはコートの外へと 飛んで行ったのでした。沸き上がる歓声、拍手、す、すばらしい、おれは、おれはいまヒーローなんだね、 てなわけでその場をガッツポーズげ閉めたのでした。ですが、時すでに遅く点差をちじめることはできません でした。結局5-7で負けてしまい、 3位入賞の夢ははかなくコートにちったのでした。
 ところで先程からグリフォンはかっこいいとかいってますがほんとにかっこいいんです。シュート力 が弱いだけで、ボールを取り込むのは得意なんです。そうそう、それでかっこいいから「デザイン賞」を もらっちゃいました。賞状と2000円分の図書券でした。
 さあ、私の頭の中にはもう2号機のイメージが完成しつつあります。このつづきは「グリフィス」で。 4月中頃にはお目にかかれるとおもいます。ここまで見てくれた人、ありがとう。